BLOG-0007 「創絶」は「究極」を越えるか

 このザラブ星人では、「創絶」の名に相応しい品質が実現している。造形と塗装のレベルが高く、バランスも良い。

 ラゴンのものを代用したとされるスーツ表面の凸部は、いつも造形師泣かせである。彫り始めれば、いつの間にかスチル写真と同一に合わせてしまう。ランダムに彫るよりは、その方が気が楽だと言える。体にフィットしたスーツは、特に背面がリアルだ。宇宙人というより地球人の体形をよく浮き出してる・・・。
 本体の分割は、両耳、肩から頭部、両足を含む胴部、右腕、左腕の6分割と思われる。手首も別パーツのように見受けられるが、グローブの端を表現したもので成型は一体である。電子頭脳(翻訳機)と手は一体成型の塗り分けだが、機器の方は3分割になっている。ちなみに内部は中空のようだ。マスクが脱落しないよう取り付けられたベルトも忠実に再現されているが、その部分を頭部側にした分割はナイスである。
 塗装の分析をすると、少し難しい。まず、成型色はライトブラウン。最初に胸、腕、澱部や内股にダークブランを部分吹きし、全体をフラットのイエローグリーンで同様に吹く。さらに、腹部から下腹部の3スポットにライトオレンジでドライブラシを施している。頭部はフラットシルバーを塗装するが、下端部は漸移させるため筆塗であろう。目と口の部分はライトブルーが軽く、そして眼はフラットブラック、口も希釈したフラットブラックが重ねられる。耳は別パーツで、フラットレッドを塗装したのち、表面にシルバーを重ねている。
 さらに驚くのは、電子頭脳である。本体はグレーで塗装され、アンテナと把手、一部のスイッチは頭部とは異なるメタルシルバー、その他のスイッチやパイロットランプは、イエロー、レッド、オレンジ、ブラック(光沢)、グリーン、メタルシルバーが塗布される。本体の基本色は成型色だが、仕上げに14色が奢られているのだ。少なくとも十数回の工程があることになる。今回の「創絶」のうちでは、最も力の注がれた個体に間違いない。「創絶」は「究極」を超えるというのか。