★0031 クリアの輝きを取り戻せ

 トサギ氏のコレクションを紹介しよう。これは、HG仮面ライダーpart9「ヨロイ元帥登場編」のクリアバージョンである。HGシリーズは1998~2000年までの毎年、流通品と同一の金型を用いた無彩色、クリア樹脂成形による個体をキャンペーン商品として提供した。このHG仮面ライダーpart9については、HGシリーズ5周年記念企画として100セットが用意されたもので、ご本人が当選したものである。(撮影:トサギ)

  ところで、クリア成形オンリーのフィギュアは、肝心な塗装が施されていない点で評価を低くする価値観が今日に存在する。しかし、この感覚は当時には存在しなかったものであり、後に植えつけられたものである。クリアバージョンとは、本来はレアアイテムの象徴的存在だったのだ。クリアバージョンは、抽プレ、イベント会場限定品、限定BOX封入品など特別に用意されたものであり、そのクリスタルな輝きがコレクターの憧れの的であった。HGシリーズの例を追うと、抽選品以外には、1999WF会場限定ウルトラマンクリアブラックバージョン、同年の仮面ライダーLIMITED BOX封入クリアグリーンバージョン、東映ヒーローネット入会特典の仮面ライダークリアブラックバージョンなどが思い出される。
 ある年のことである。HGのライバル的存在であったユージンのSR電人ザボーガにおいて、クリアレッドの個体が彩色品の中に混入されたのである。当時、このクリアレッド個体を目当てに夢中になったものだが、しばらくしてハズレ個体だと悟った。以後、食玩界では、無彩色品を混在させ全ランナップにかかるコスト削減の手段とする方式が広まっていったのである。
  もう一度、思い出してみよう。このクリスタルな輝きこそは、プレミアムの証なのだ。輝く無数の面からは、塗装の厚みに包まれていない新鮮な原型モールドを知ることができよう。クリアバージョンとは、本来、コレクターにとって至上の満足感を生むアイテムと言える。@2009.09.20

 

Toy Data
HGシリーズ5周年記念企画 ’99プレミアムキャンペーン バンダイ 1999.12 非売品