BLOG-0029 DGウルトラマン2 インプレッション

 諸事情により、DGウルトラマン2に関するブログ記事を抜かしていたので、今さらだが掲載しておきたい。間もなく発売されるDG3への期待を、より高めて頂くことになれば幸いだ。
 以下の記事は、以前にBBSで述べた内容をアレンジしたものである。画像は、今回、全て新規撮影した。

 

・ウルトラマンベリアル
 このデザインは、いかにも悪党らしい。マスクの角度といい、これまでにない大胆なフォーメーションでスーツの完成度も高い。何処となく、スターウォーズに登場したダースモールの雰囲気が漂う。武器使いも良く似ているのではないか。
 本体は、グレー成形色の上に赤色を載せている。暗い下地に赤色を発色させるには厚塗りが必要だが、逆にするよりもマスキングが楽である。背面もキチンと塗られており、この点は価格が上がった分、安心が補償されている。両手とマスクはブラック+シルバーでガンメタ調。両眼の電飾をデジタル彩色しているが、アニメチックな感は否めない。バトルナイザーは、やや硬質な樹脂で容易に変形しないところが嬉しい。両端の発光部まで塗装してあって、抜かりなしだ。

 

・ウルトラセブン
 何より、初代セブンでないのが悔やまれる。しかし、映画とのタイアップということで、やむを得ない事情があるというものだ。おかげで、次にセブンがラインナップに入るのは、当分先のことになってしまった。
 さて、胸部の分割ラインは、前面のみスーツの継ぎ目に沿わせているので目立たない。後ろは、さすがにキツイ。肩と胸部のプロテクタのみならず、頭頂部の窪みにまで塗装が行き届いているところが凄い。目の電飾表現は、機械的な塗り分けではなくて水彩画のような明暗を演出するタッチのDG彩色になっている。期待していただけに、処理がラフなので残念なポイントだ。目がハッキリしているため、顔には表情が出ている。

 

・ウルトラマンゼロ
 二刀流アイスラッガーを頭部に装着しており、頭でっかちに見える。アイスラッガーのスカシは、この場合、技術的に不可能なのであろう、抜けていない。足首の接続部に注目したい。差し込みが細く緩い。偶然かもしれないが、完全固定ではなく若干動くようになっていることで、立てる時にある程度のバランス調整ができる。
 下半身の赤色が成形色なのは意外で、今後の展開に一抹の不安を覚える。なお、腕の下側の赤色はブルーの上から着色してある。これは、工程上の問題だろう。塗装の切り返しが大変なパターンだが、他はきちんと塗装されている。

 

・ゴモラA・B・C
 これも、初代ゴモラではなく劇場版である。怪獣使いが操る正義のゴモラザウルスだ。そのくせに、尻尾切断、ブルド―ザ持ちなど、初代ゴモラのオマージュを重ねている。これはユーザーへのサービスのつもりだろうが、疑問を強く感じる。ver.Bは、尻尾がないだけ体のバランスが悪く前に倒れやすい。それを防ぐために専用台座が付き、そこに尻尾の断割部を埋め込みウェイト代わりにするようだが、しっかり固定できない。
 評判の悪い原因は、造形にある。表皮のシワの単位が粗く、他を手掛けた原型師と同じレベルにある人物が製作したとは考え難い。新ゴモラとしても、似ても似つかないものだ。
 デジタル塗装は角の表裏に施されていて、ver.Aはジグザグ線の他、骨のスジみたいなものも表現している。この上にウォッシュ等をかけないと、象牙質には見えてこない。今回は、成功しているとは言い難い。
 ゴモラCは、ブラッドオレンジの成形色が基本となっている。蛍光色かと思われるが、このような特殊色の樹脂はコストが掛かっていそうだ。
 腹部のヒダは、他のゴモラではブラックのブラシ塗装だが、こちらはイエローのドライブラシとなっている。角部分はクリアパーツを使用。頭部は口の肉抜きのために、元々分割になっているので上側をクリア成形にしたようだ。その上にホワイトやクリアイエローを吹き、ジグザグ線などを表裏にデジタル彩色を施している。

 

・ザラガスA・B
 オールドファンの主観が入るかもしれないが、素晴らしいの一言だ。頑張りすぎた造形で少々大きめになってしまった感があり、前弾のベムラーやレッドキングより一回り大きい。これで正解なのかと思いきや、アクターの頭部位置がザラガスの方が高い。ザラガス変身前後のver.分けとなっているが、同時に口の開閉も変化させているとことが良い。
 尻尾には組み立てると見えなくなってしまう付け根部分に、ver.Bのパイプ状突起に連続して行くドットがシルバーで塗ってある。ver.Aのパイプは、接近し合った一つ一つが全て塗装されていることに驚いてしまう。
 角部分はクリア樹脂でDG彩色、ベッコウ飴というか琥珀のような雰囲気が出ていて美しい。プロップは、発光していない状態では乳白色だ。
 しかし、ゴモラスーツを改造したこの奇抜なデザインは面白い。その辺に余っていた部品をくっ付けてみた感じもするが、馴染まないメカニックな雰囲気が、今になって味が出てきた感じがする。なお、ザラガスの造形にあたっては、当時の資料が少なくて苦労したと聞いている。

 

Toy Data

DGウルトラマン02 バンダイ 2009.12 各¥300