BLOG-0047 オーメダル現象を分析する

 低調気味のキャラクター玩具界で、今、高い人気を得ているのが「仮面ライダーオーズ」のキーアイテムとなっているオーメダルである。プロップレプリカとしてコレクターが収集しているのかと思えば、子供達も遊ぶために真剣に求めている。このメダルを使って変身ベルトやアイテム玩具、アーケードゲーム機で遊ぶことが出来るからだ。しかし、市場では品薄の状態が続く。その原因には、母親達の熱心な行動が関わっているようだ。

 オーメダルは、玩具、食玩、ベンダーの3系統で供給されているが、最も人気が高いのはベンダー、すなわちガシャポンでの販売だ。店頭に並んだかと思えば、たちまちにして空になってしまう。その情報に目を光らせているのが、買い物ついでの主婦達である。回数制限が厳しく監視されていなければ、少数、あるいは一人の手で根こそぎ買い漁って行かれる。
 買占めの目的は、子供や友人で分け合うこと以外に「転売」である。このために、正規に商品を求める消費者は本来の場所から購入することができず、倍以上の金額を支払って第三者から購入しなくてはならない。転売を意図している者達も、タイミングを失えば一転、プレ値で買う側に陥る。全く異常な市場が形成されていると言える。
 インターネットオークションとお宝ショップの普及により、誰もが「転売」という商売のチャンスをもった。今に始まったことではないが、それが主婦層に展開した例の一つとして今回の行動は興味深い。オークションを分析すると面白いことが分かる。発売と同時に大量の出品が行われるが、終了時間が19~20時代と早い。そこからは、パソコンが他の家族に占拠される前の時間帯に、家事とともに取引も済ませたい主婦の意図が自ずと知れる。もちろん、購入チャンスを逃した入札側の主婦にとっても都合のよい時間帯になる。これは非常に面白い。我々のようなコレクターが取引をする場合、23時以降という遅い時間帯に終了時間を設定するのが常識となっているからだ。
 オーメダルの実際の生産量は、それほど少なくないだろう。「たまごっち」現象もそうであったが、市場に出回らないことが逆に物欲を掻き立てる。メーカーとしても、需用が満たされなければリンク商品の売り上げに影響が出るため、常に再生産体制をとっているようだ。TV放映を睨んだ引き際も肝心だが、このような異常市場を打破するために、次々に生産すればいいと思う。とりあえず売れることは間違いない。ディラーレベルでの流通操作も怪しいので、最後に在庫が残るのは悪質ディーラーや転バイヤーの手中という落ちにしてもらいたいものだ。@2011.02.04

 

Toy Data

ガシャポン仮面ライダーオーズ オーメダル1・2・3より バンダイ ~2011.02 各¥300