BLOG-0056 混入率 1/50の HGペダン星人

 あのHGシリーズが復活して、しばらくが経つ。その新しい名称は、HGヒーローズ。クオリティー重視で価格アップの一途にあったシリーズ展開を見直し、200円という本来の売価へリターンさせた。その代償として、思い切った塗装の省略が図られた。ウルトラマンの背面が塗装していなかったりすることは標準仕様、そして真面目に塗装したものは増塗装版としてアソートされた。予算の範囲で決定された増塗装版の混入率は1/50。すなわち50カプセル1カートンのなかに1個ずつという、鬼アソートである。

 HGヒーローズ ウルトラマン2では、鬼アソートに増塗装版を設定する以外に、1点物のキャラクターを投入した。それは、休眠状態にあった、ウルトラ怪獣コンプリート計画候補のなかでも、特にマニアックなペダン星人が採択された。ペダン星人は、シルエットで宇宙人を表現するために、ごく簡単に造られたスーツとマスクが着用されたらしい。劇中で、ペダン星人の宇宙船が爆発する際の閃光で、一瞬、全体の容姿を確認することができるのみという存在である。

 さて、このペダン星人を入手するために、袋買いを断行した。アソートは厳格に検査されているのだろうか、検収のサインが書かれたシールが袋に貼ってある。それにしては、袋の口はビニールタイで巻き閉じられているだけだった。まさか、2個入っていることはないのかと一瞬期待してみたが、案の定1体のみだった。今回は他に、ルナミラクルゼロとストロングコロナゼロの増塗装版、サーガ誕生ver.、サーガ発光シーンver.も、きちんと1/50アソートであった。

 200円クオリティーのうえ、元々が単純な容姿とカラーリングのペダン星人なので、特に期待する仕上がりイメージもないのだが、意外と悪くはない。体部は、艶消しブラックで塗装、手もライトオレンジで塗装してある。マスクは塗装後、褐色でウェザリングを施してあるので、鬼アソートの分、200円クオリティーを超えたものとなっているのだろう。

 造形では、着衣の部分がシワ表現などなく稚拙な造りだ。また、アクターの体形についても造形美が感じられるようなレベルではない。しかし、とりあえずHGで期待されていなかった ペダン星人が出てくれたので歓迎されるだろう。但し、このような鬼アソートの方法が、吉と出るか凶と出るかは微妙だと思う。ますます、ファンが疲れてしまう心配もある。

 

Toy Data

HGエイチジーヒーローズ ウルトラマン2 ~ゼロ、新たなる力編~

バンダイ 2012年8月発売 200円